本日のテーマ:21世紀枠
初戦敗退が恒常化していないか?
直近10年間で何勝している?
直近10年間(2015年~2024年)に27校が21世紀枠で出場している。そのうち初戦を突破したのが3校のみだ。
直近での勝利は、第93回大会(2021年)の具志川商(沖縄)で、6-2で八戸西(青森)に勝利をしている。だがこの試合は21世紀枠同士の対戦。さらに第88回大会(2016年)の釜石(岩手)も2-1で小豆島(香川)に勝利しているが、この試合も21世紀枠同士の対戦だった。
一般選考枠での出場校に勝利したのはいつ?
一般選考枠での出場校に勝利したのは、第87回大会(2015年)の松山東(愛媛)が二松学舎大附に5-4で勝利した10年前まで遡る必要がある。
10年間で27試合あり初戦突破は3校と勝率は11.1%。そして3校共に次の試合で敗退しているため、30試合中3勝と勝率は10.0%となる。
昔はもう少し勝ててた印象が・・・
21世紀枠は2001年から設けられた出場枠だが、2001年~2014年の直近10年以前では初戦は11勝25敗(勝率は30.6%)。通算でも15勝36敗(勝率は29.4%)と直近10年と比較し3倍近くの勝率があった。
21世紀枠出場校の勝率
01年~14年 | 15年~24年 | |
初戦 | 11勝25敗 30.6% | 3勝24敗 11.1% |
通算 | 15勝36敗 29.4% | 3勝24敗 10.0% |
初戦突破した14校に共通点はあるか?
初戦突破した高校を見ていくと各都道府県の秋季大会で優勝校が4校、準優勝校が7校と14校中11校が府県では決勝まで勝ち進むも、各地区大会では上位に進めず一般選考枠から漏れた高校だ。残りの3校は山口県ベスト4と北海道のベスト4、ベスト8となった。
2勝以上できたのは、第81回大会(2009年)の利府(宮城)と第73回大会(2001年)の宜野座(沖縄)の2校のみになるが、2校共に秋季県大会では優勝し、選抜ではベスト4まで勝ち上がる大躍進だった。
21世紀枠の選考基準に「秋季都道府県大会のベスト16以上(加盟校が129校以上の都道府県はベスト32以上)が対象。」とあるが、初戦突破をしている高校を見ると、「ベスト4以上」とレベルを上げても良いと思う。
初戦突破した21世紀枠出場校
大会 年度 | 高校名 秋季大会の成績 | 勝利試合 | |
1 | 第93回 2021年 | 具志川商 県:準優勝 | 6‐2 八戸西 |
2 | 第88回 2016年 | 釜石 県:準優勝 | 2-1 小豆島 |
3 | 第87回 2015年 | 松山東 県:準優勝 | 5-4 二松学舎大付 |
4 | 第85回 2013年 | 遠軽 道:ベスト4 | 3-0いわき海星 |
5 | 第83回 2011年 | 城南 県:優勝 | 8-5 報徳学園 |
6 | 第82回 2010年 | 向陽 県:準優勝 | 2-1 開星 |
7 | 第81回 2009年 | 利府 県:優勝 | 5-4 早実 2-1 習志野 10-4 掛川西 |
8 | 第80回 2008年 | 安房 県:準優勝 | 2-0 城北 |
9 | 第80回 2008年 | 成章 県:準優勝 | 3-2 駒大岩見沢 |
10 | 第80回 2008年 | 華陵 県:ベスト4 | 1-0 慶応 |
11 | 第79回 2007年 | 都城泉ヶ丘 県:優勝 | 2-0 桐生第一 |
12 | 第77回 2005年 | 一迫商業 県:準優勝 | 5-2 修徳 |
13 | 第74回 2002年 | 鵡川 道:ベスト4 | 12-8 三木 |
14 | 第73回 2001年 | 宜野座 県:優勝 | ○ 4- 2 浪速 ○ 4- 3 桐光学園 ○ 7- 2 岐阜第一 |
最近は出場校の傾向が変わった?
昨年も和歌山で準優勝している田辺が出場している。しかし、01年~14年ではベスト4以下の成績だった出場校が4割以下だったが、直近10年(15年以降)を見ると5割以上になっている。
21世紀枠の選考基準に「少数部員、施設面のハンディ、自然災害など困難な環境の克服。」とあるが、震災以降はこの基準が多く、結果ベスト4以下の成績での選出が多くなってきているのではないだろうか。
21枠での出場校の秋季の成績
01年~14年 | 15年~24年 | |
優勝 | 9 25.0% | 3 11.1% |
準優勝 | 14 38.9% | 10 37.0% |
4強 | 8 22.2% | 9 33.3% |
8強以下 | 5 13.9% | 5 18.5% |
合計 | 36 100% | 27 100% |
出場校の地域の偏りが激しくないか!
未だに埼玉、神奈川、大阪からの選出はない!
出場回数が多いのは、5校(中止1校)選出されている北海道、つづいて4校の和歌山、徳島、そして4校(中止1校)選出されている福島、島根となる。
だが一方、群馬、埼玉、神奈川、三重、長野、京都、大阪、奈良、岡山、広島、鳥取、福岡、長崎の13府県から選出されていない。
埼玉、神奈川、大阪、福岡は、夏の記念大会では2地区に分けられる加盟校が多い都道府県となり、群馬、埼玉、神奈川、京都、大阪、奈良、広島、長崎からは2001年以降に選抜優勝校がいる。
地域で見ても東北6県で14校(中止1校)、四国4県で10校だが、関東8都県で5校と偏りが激しいと思う。
21枠での出場校の地区
都道府県数 | 出場校 | |
北海道 | 1 | 5校 (中止1校) |
東北 | 6 | 14校 (中止1校) |
関東 | 8 | 5校 – |
東海 | 4 | 4校 – |
北信越 | 5 | 4校 – |
近畿 | 6 | 9校 – |
中国 | 5 | 5校 (中止1校) |
四国 | 4 | 10校 – |
九州 | 8 | 8校 – |
21世紀枠の選考基準に「強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない」とあるが、例えば1927年の第4回大会以来98年連続で選抜に出場している大阪を見ると、直近10年だけでも大阪桐蔭が9回も出場し、選抜で3回も優勝をしている。明らかに大阪桐蔭がいるために大阪の高校は甲子園出場機会が減っていると思う。更に履正社もいるし・・・。
埼玉も浦和学院、花咲徳栄など、神奈川でも横浜、東海大相模など・・・。選出されていない都道府県を見ると全国的に知名度がある強豪校が多い。
これでは野球に力を入れている私立校ですら、甲子園に出場が難しい。
歴代21世紀枠63出場校中、私立校は1校
これまで私立校で出場したのは第85回大会(2013年)の土佐(高知)の1校のみである。
ここまで私立校が出れていないのは、私立というだけで選考基準がマイナスで始まっている。
21世紀枠の選考基準に「少数部員、施設面のハンディ、自然災害など困難な環境の克服」がキーワードになってしまうと、どうしても公立校が優位になってしまう。
当ブログは、21世紀枠に賛成だが・・・・
21世紀枠出場校に期待するのは、強豪校へのジャイアントキリングだ。
だが、21世紀枠校と対戦した高校が上位(4強以上)に勝ち進む確率が高い印象がある。21世紀枠校のくじ運が悪いとみるか・・・。強豪校の大会でのウォーミングアップになってしまっていないか?
21世紀ができて25年となるが、大きく見直しても良いのではないだろうか。
ベスト4以上に勝ち進んだ21世紀枠勝利校
上位進出校 | 21世紀枠校 | ||
第96回 2024年 | 星稜 ベスト4 | 4-2 | 田辺 |
第95回 2023年 | 山梨学院 優勝 | 4-1 | 氷見 |
第94回 2022年 | 浦和学院 ベスト4 | 4-0 | 大分舞鶴 |
第93回 2021年 | 明豊 準優勝 | 10-9 | 東播磨 |
第91回 2019年 | 東邦 優勝 | 3-1 | 富岡西 |
第90回 2018年 | 大阪桐蔭 優勝 | 14-2 | 伊万里 |
第89回 2017年 | 報徳学園 ベスト4 | 21-0 | 多治見 |
第87回 2015年 | 東海大四 準優勝 | 3-2 | 松山東 |
第86回 2014年 | 龍谷大平安 優勝 | 16-2 | 大島 |
第86回 2014年 | 履正社 準優勝 | 1-0 | 小山台 |
第85回 2013年 | 浦和学院 優勝 | 4-0 | 土佐 |
第82回 2010年 | 日大三 準優勝 | 14-4 3-1 | 山形中央 向陽 |
第79回 2007年 | 大垣日大 準優勝 | 4-1 | 都城泉ヶ丘 |
第74回 2002年 | 福井商 ベスト4 | 5-3 | 松江北 |
各都府県の21世紀枠推薦校も揃い始めている。改めて2025年21世紀枠出場校の予想をしていきます。
完読!ありがとうございます!
皆さんはどのように考えますか?